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天気雨
もし、今、洗濯物を干しているのでしたら、取り込んでおくのが良いと思います。
もうすぐ雨が降ってくるはずですから・・・

さて、先ほどまで私は、裏山の畑で野良仕事をしていたのです。

いつものように、水を撒いたり、野菜を収穫したりしていました。

一通り作業を終えた頃、私は畦道にある大木の木陰で一休みすることにしたのです。

大木の木陰には、私に丁度良い風が吹いていました。
見上げると、重なり合う葉っぱの隙間から、真っ青な空が見えました。
時々、トンボがついと通り過ぎていくのが、何とも気持良さそうです。

私が、ちょっと不思議な出来事に遭遇したのは、丁度そんな時でした。


・・・チリンチリン

しんとした風景の中、どこからか鈴の音に似た音が聞こえてきました。

私は、誰かがやってきたのかと、周囲を見渡したのです。

ですが、遠くまで伸びる畦道には、人影ひとつ見当たりません。

まだ穂の出ていないススキがそよそよと風になびいているだけです。


・・・チリンチリン

鈴の音に似たその音は、風に運ばれてどんどん近くなって来ます。

私は耳を澄ましました。


・・・チリンチリン

しかし、目を凝らしても、目を凝らしても、そこには、何も無いのです。

ただただ、畑が広がるばかり。


私は、じっと息を殺し、目の前の透明な空間に目を凝らしました。


すると、ふと、妙な違和感を覚えたのです。

うまく説明はできないのですが、はっきりと、そこだけ違う空気が流れていたのです。


・・・チリンチリン

音は、ゆっくりと私の目の前を通り過ぎていきます。


・・・チリンチリン


何が通っているのだろう...


私がそう思ったとき、ふいにその空間がゆがんだように見えました。


ほんの一瞬。
淡い影が浮かんで消えたのを、私は確かに見たのです。

それは、雪のように白い、白い影でした・・・




私は、慌てて支度を済ませ、帰り道を走ってきたというわけです。




なぜって・・

聞いたこと、ありませんか?

キツネが嫁入りする時は、天気雨が降るのだと....


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物語 | 17:55:00 | Trackback(0) | Comments(10)
メロンおばさんの真相
それは、私が子供の頃に囁かれていた噂である。

(町外れの水道塔には、近づくな。メロンおばさんに追われるぞ・・・)

実に、奇怪な噂である。
しかし、子供の頃は、これが、心底恐かった。

今でも、水道塔を遠くに望むだけで、当時、噂に聞いていたメロンおばさんの影や奇声を、簡単に想像できてしまう。

その話は、あり得ない内容にも関わらず、恐怖心だけは今も私の中に潜んでいる。
俗にいうトラウマだ。

さて、その日。
私は近所に住む叔母の家を訪ね、友人から送られて来たというピーナッツを分けてもらった。
旦那の好物なのだ。

しかし、私は、そのまま叔母と話し込むことになり、帰路に着くのが遅くなってしまった。

外に出ると、もう夕方。
夕暮れ時のたゆんだ空気が心地よい。

私は家路を急いだ。
引っ掛けてきた下駄が、カランコロンと音を立て、誰もいない通りにこだまする。

しばらくすると、道路わきに林立する街灯に、ぼんやりと灯がともりだした。

日が落ちたのだ。


そんな中、私は突然、気がついた。

この道に沿うフェンスの向こうに、あるもの。
フェンスの向こうに広がる闇の中に、あるもの。

それが、あの水道塔だということに。


普段は、何気無く通過してしまう道なのに、今日はなんだか、とても気にかかる。

私は歩みを緩めた。
カラン・・コロン・・
下駄の音がリズムを崩す。


(町外れの水道塔には、近づくな。)

私は、闇を見つめた。
何かが潜んでいるのでは無いか?
そんな気がしたのだ。

(メロンおばさんに追われるぞ・・・)

その時である。

暗闇から、一匹のネコが飛び出してきた。


ぎゃぁ

私は情けない声を上げ、バランスを崩した。

災難である。
私は足を溝にはめ、フェンスに顔を引っ掛けてしまったのだ。

「痛てて」
片方の頬を、だいぶ掠ったようだ。
傷になってなければいいのだけれど...

私は、体勢を整え、辺りを見回した。

ピーナッツ、ピーナッツ、ピーナッツ...
先ほどの衝撃で投げ出されたピーナッツがあっちこっちに散らばっていた。

私は自分で自分が情けなくなり、半分泣きながらそれらを拾った。


「メロンおばさんのバカ・・」

私はなんとなく、この災難をメロンおばさんのせいにした。


その時である。

背後で、断末魔の声が響いた。
私は驚いて振り向いた。

そこには、小学生と思しき子供が一人、街灯の下で立ち尽くしていた。
その目は、大きく見開かれ、真っ直ぐ、私を凝視している。


私は、立ち上がった。

何か分からないが、弁解の必要がありそうだ。

しかし、痛めた足がうまく動かない。
私は変によろめいた。

その刹那。

「ぎゃぁぁぁ」

小学生は、再び叫び声を発し、踵を返して走り去ってしまったのだ。

「ピーナッツおばさんが、出たぁぁぁ」


・・・そんな言葉を残しながら。

物語 | 02:10:00 | Trackback(0) | Comments(12)
双眼鏡
「あぁ・・・やっぱり来るんじゃなかった」
私は、そっと独り言を口にした。


その日は、町の夏祭り。
私は、ふとした気まぐれで、ここに遊びに来てみたのだった。


私がこの町に帰ってきたのは、体調を崩したからだった。
そのため、勤め先を休んで、実家に戻ってきたのだ。
体調不良の理由は過労。
そう診断が下ると、すぐさま上司から1週間の休みを言い渡されたのだった。

しかし、実際に実家に戻ってきてみると、な~んにもすることが無い。
非常に・・・・つまらないのだ。
私は毎日、何をするでも無く、ただ、だらだらと一日一日を過ごしていた。

そんな時、町内会の回覧版で、今日から夏祭りが始まることを知ったのだった。

私は『夏祭り』という言葉の響きに、遠い昔を思い出した。

お寺の境内に並ぶ数々の露店とそれらを照らす、橙色の提灯の光。
焼きリンゴや、綿アメや、焼きイカの芳しい香り。
そんな中を、浴衣を来た小さな子らは、少ない小遣いを工面して色々なものを買って歩くのだ。

やがて、祭りの締め括りに、打ち上げ花火が上がるまで....

私は、あの雑踏の中にいるだけで、心が躍ったものだ。
祭りの夜は、何だか特別だったのだ。



そんな思い出が懐かしくなり、私は、久しぶりに夏祭りに出かけてみる気になったのだった。

どうせ、家にいてもつまらないのだから・・・



それなのに。
これは、本当にあの夏祭りだろうか?

私は自分の目をしばらくは信じられなかった。
信じたくなかったのだ。

今、私の目の前に広がる風景は、あの日の夏祭りとは、似ても似つかない。

そう。寂しすぎるのだ。


とはいえ、考えてみたら当たり前である。

あの頃に比べたら、子供の数はおろか、町の人口そのものがグッと減っているのだ。すたれた感じがしてしまうのも仕方ない。

仕方ない・・・
それは分かっているのだけど。

何だか、わびしいものである。

美しい思い出は、美しいままにしておいた方が良かったな。


私はそんな事を思いながら、ゆっくりと提灯の光に誘われて、歩みを進めることにした。

両脇には、露店がぽつんぽつんと並んでいる。
昔のように、活気の溢れる様子は全く無く、なんだか、静かで、だらけている。

「お!お嬢ちゃん、ちょっとこっち見てってよ!サービスするからさ!」
なんて、昔なら、あっちこっちから声をかけられたのになぁ・・・


私は、どの露店からも一定の距離を保ちつつ、石畳の上を歩いた。


ふと気が付くと、私は、ある露店の前に立っていた。

既に哀愁の雰囲気さえ漂っている露店の中で、ひときわ寂しげな雰囲気を醸し出している。

やる気なんて、微塵も感じられない。

その証拠に、店番をしている老人は、顔をこちらに向けることさえしていない。

店先に折りたたみの椅子を持ち出し、そこに座って、うつむいているだけだ。もしかしたら、眠っているのかもしれない。

私は、何だかとても気になって、その店に近づいた。

どうも、その店は『輪投げ』屋のようだ。

陳列されている景品は、これまた全然やる気が無い。

キャラクターやぬいぐるみといった類のものは全く無く、いや、それどころか、全体的に古めかしい物ばかりなのである。
アンティークなんて小洒落た感じも、勿論、しない。

なんじゃ、こりゃ?
私は思わず、ため息をついてしまった。

すると、横でうつむいていた老人が、もそもそと顔を上げる気配がした。
起こしてしまったのだろうか?

「あ、すみません」
私は、反射的に謝った。

しかし、その老人は、そんな事は意に介していないようで、無表情で私に言った。

「ここにある景品は、古いだけの物じゃないんだよ。お嬢さんには分からんじゃろうがな。」

そして、その老人は、少し、人を小ばかにしたような、嫌な笑い方をした。

ヤナ感じ。
私は、思ったが、その『古いだけの物じゃない』という言葉に惹かれた。

ここは少し、オトナになろう・・・

「・・あのぉ。古いだけじゃないって、どういうものですか?」
私は聞いた。

すると、老人は、もそもそと椅子に座りなおし、震える指で近くの貼り紙を指差した。
「やってみたら、分かるわい」

『一回100円』
貼り紙には、そう書かれている。

本当に、感じが悪いなぁ・・・
私は黙ってしまった。

すると、横で、老人がぼそぼそと口にするのが耳に入った。
「わしだって、本当は、売りたく無いんじゃい」

・・決まった。
その一言に私は負けた。


「じゃ、100円。ここに入れますよ」

私は設置されていた箱の中に100円玉を入れ、輪っかを手にとった。

「1回じゃよ」
老人は、こちらを向いて言った。

狙うものは、決まっている。
一番奥の上段に、鎮座している木製の箱だ。

私は、輪っかを水平に構え、狙いを定めた・・・

深く深呼吸・・・そして


今だ!

私は輪っかを放った。


カシャン・・

その瞬間、輪っかは、情けない音を立てて、木製の箱に跳ね返った。

そして、そのまま下に落ち、そこにあった双眼鏡に引っ掛かってクルクル回った。

残念・・・外しちゃった。


私は、老人が双眼鏡を袋に入れてくれるのを見守った。


何だか、随分、古ぼけた双眼鏡である。
・・・何も取れないよりは、マシだけど。

老人の顔は、無表情で皺くちゃだったが、うっすらと嫌な笑みが浮かんでいるような気もする。

「ほい。あんた、これ、覗く時は心するんだよ。」

景品を差し出しながら、老人は言った。

「これは、あんたの運命の人が見える双眼鏡なんだから。」

は?今何て?
私は奇妙な違和感を覚えた。

もちろん、その台詞自体が奇妙なものであるが、何よりもその老人の口から『運命の人』などという甘美な単語が飛び出てきた事が、意外だったのだ。

訝る私に、老人は重ねて言った。

「ただし、一回しか見えないからな。そのつもりで覗くんじゃよ。」


一回しか覗けない、運命の人が見える双眼鏡....

私は、心の中で反芻しながら、老人から袋を受け取った。


一回しか覗けない、運命の人が見える双眼鏡....

私は、微妙に重たい袋を片手に、そのまま帰路に着くことにした。


途中、一度だけ振り向いてみると、両脇に並ぶ提灯の、淡い光がぼんやりと闇に揺れており、なんだか、妙に、切なかった。



『運命の人』・・・

私は、その言葉に惹かれていた。

そして、ぼんやりと、彼のことを想ったのだ。

彼は、きっと、私に休みを言い渡した後も、仕事に没頭しているに違いない。
私は彼の真剣な横顔が好きなのだ。



あの人は、私の運命の人だろうか・・・?



家に帰り着くと、私はすぐさま双眼鏡を手にとった。

部屋の蛍光灯の下で見るそれは、古いというよりも、むしろ、ボロボロだった。


いや。そんな事は、どうでもいい。

私は、彼が運命の人なのかを知りたい。

知りたいのだ・・・



しかし、私は、どうしても、双眼鏡を覗くことが出来なかった。


恐かったのだ。

もし、『運命の人』があの人じゃなかったら、どうしよう。

別の誰かが、この双眼鏡の中にいたら・・・

私は、立ち直れない。



一回しか覗けない、運命の人が見える双眼鏡....

私は、ため息をついて、双眼鏡を窓辺に置いた。


物語 | 17:25:00 | Trackback(0) | Comments(17)
明日は遠足
明日は晴れる うきうき遠足
おやつの準備もかんぺきだ!

明日は遠足 楽しみお弁当
おにぎり たくさん 握ってね!

友達たくさん 輪になって座って
いっぱい おしゃべりするんだもん!

ニコニコお日様 先生もニコニコ

明日は早起き、もう眠ろう






この記事は、GottonFactoryさんの記事にトラバしています☆
http://blog.so-net.ne.jp/gottonfactory/2005-07-02

Gottonさんが童謡のメロディを作られているので、それに作詞してみたのです。

1036821.gif←こちらでメロディーが聴けますよ!


※Gottonさんの子供さんが既に詩を載せています。何だか日記のようでかわいらしいですよ!


| 17:30:00 | Trackback(1) | Comments(14)
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